非同期処理について
非同期処理とは?
多くのプログラミング言語はコードの実行の仕方として同期処理と非同期処理という分類があります。
同期処理
同期処理ではコードを順番に処理していき、ひとつの処理が終わるまでは次の行のコードを処理しません。書いた順番に動作するためとても直感的です。しかし、何かしらの大きな待ち時間を要する処理が行われていた場合、その待ち時間を要する処理が終わるまで、次の処理へ進むことが出来ません。次のコードを例に考えてみましょう。sleep
関数は指定した時間だけ(今回は 1 秒)プログラムの動作をブロックします。なので、2つ目のprintln
が実行されるまでに1秒かかってしまいます。
#![allow(unused_variables)] fn main() { use std::{thread::sleep, time::Duration}; println!("開始"); sleep(Duration::from_secs(1)); println!("このコードが実行されるまで1秒ブロックされる") }
コード例ではsleep
関数を使いましたが、通常は何かしらの重たい処理が入ると考えて下さい。その時、重たい処理が間にあると大きな待ちが生まれてしまいますね。
非同期処理
非同期処理はコードを順番に処理していくという部分は変わらないのですが、一つの処理が終わるのを待たずに次の処理を実行します。Rust のasync/awat
を用いて非同期関数の例を示します。3つの非同期関数を考えてみましょう。関数のシグネチャから、「歌を歌う(sing_song 関数)」ためには前もって「歌を学ぶ(lern_song 関数)」必要があるとします。
#![allow(unused_variables)] fn main() { async fn lern_song() -> Song { // do something } async fn sing_song(song: Song) -> Song { // do something } async fn lern_song() { // do something } }
歌の学習、歌うこと、ダンスを行うコーディング方法の 1 つとしてはそれぞれを順番に実行していく事です
fn main() { let song = block_on(learn_song()); // block_onで非同期関数の完了を待つ block_on(sing_song(song)); block_on(dance()); }
この方法では1つのことを順番に実行しているだけなので、最高のパフォーマンスを実現しているわけではありません。明らかに、歌を学んだ後に「歌う」と「踊る」は同時に実行できますよね。
async fn learn_and_sing() { let song = learn_song().await; sing_song(song).await; } async fn async_main() { let f1 = learn_and_sing(); let f2 = dance(); // learn_and_singとdanceの完了を待つ futures::join!(f1, f2); } fn main() { block_on(async_main()); }
このように、同期処理のときとは違い、何かしらの重たい処理が入ったとしても、その大きな待ち時間の間にほかの処理を進められるのが非同期処理です。